要介護の高齢者をサポートする目的と工夫

要介護者の多くは高齢者なので、少しでも体に負担がかからないように適切なサポートを施すことが大切です。高齢者は加齢によって体力が低下している他、骨も脆くなっています。たとえば、身体に何らかの衝撃を受けた際、若い人なら何の影響が無くても、それが高齢者だと捻挫や骨折といったケガに至ることも。また、加齢による身体機能の衰えは自覚しにくく、高齢者自身は若い頃と同じ感覚で体を動かそうとします。しかし、動かそうという行為が重大な事故を引き起こす恐れがあるため、1人で何かをしようとする前に、適切なサポートをすることを求められるのです。とはいえ、自分は健康で身体機能も正常だと思っている高齢者は露骨なサポートを嫌がる傾向があります。無理強いすると介護サービスそのものを拒否される可能性もあるので慎重に対処しなければいけません。

高齢者を適切にサポートするには運動への介助という形を取るのが最も効果的です。高齢者の多くは体を動かす必要性を理解しているので、軽い運動を行うことには反対しません。サポートについても同様であり、運動中の事故を防ぐという名目なら露骨に拒絶することはほとんど無いといえます。最初は運動に対してのサポートに徹し、そこから徐々に生活面での不具合に対処できるようにするのが賢い方法です。高齢者が自身の体の衰えを認識するのが最も良い方法ではありますが、年を取ったことを自覚すると精神的な緊張が無くなってしまい、急激に老け込んでしまうケースもあります。人によって最適な接し方が異なることを把握するのがサポートする側に求められる姿勢です。